少女 湊かなえ

少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)

少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)

○内容〇
少女の自殺をにおわせてこの本は始まる。

田舎(東京が都会と感じるくらいの)に住んでいる女子高生
ゆきと敦子は幼馴染で親友。
だが、いつのまにかすれ違いが起きていた。

ゆきの家の痴ほう症の祖母
敦子が受けた裏ネットでのいじめ
二人の担任の盗作・・・。
転校生しおりの友人の自殺。
ゆきが知った病気の少年
敦子が働く病院の女子高生嫌いの中年男性

実はすべて伏線が張ってあった。

二人の視線、それぞれから話は進む。
これって告白のときと ある意味似てる。

○感想○
ゆき:自分は不器用って言う人は 気が利かないだけ。
敦子:ここでは誰に合わせればいんだろう

↑本より。


告白のときとは違うけど衝撃があった。
結局、冒頭のブログがどうのこうのっていう呟きは
誰からの視点だったのだろう。
ゆきにもあつこにもしおりにも思えた。
それはある意味・・・。

インターネット上でブログが炎上とか。
元アイドルがキレる。とか。
学生に限らず、いじめ、排斥?はある。
きっとなくならない。
顔が見えないからできる。
顔が見えないから怖い。

私も若い時、こーいう便利な道具があったら
悪口の一つでも書き込んでいたかも知れない。

敦子は気づいてないけれど、
もししおりの親友を間接的に殺したのは自分だって知ったら
どう思うかな。

悪意のむく先はどこ?

私は私の中でちゃんと悪意を消化しきれているかな。
って自問自答すると
全く駄目っていう答えが出る。

まず悪意をもちたくないけれど人間が発展途上だから
昔に比べると
減ってはいるけど排出してしまう。

悲しい話なんだか、
二人の友情の復活に感動していいのか
わからない話だった。