繋がれた明日

繋がれた明日 (朝日文庫)

繋がれた明日 (朝日文庫)

○あらすじ○
喧嘩の勢いで殺人を犯し、懲役5〜7年の実刑判決を受けた中道。
6年を終えたところで、仮釈放が決まる。
まだ、心から被害者や家族に謝罪することも出来ない。
保護司の支援を受けて、社会復帰に励むが、アパート、職場、妹の職場にまで
殺人を犯して服役していたことをばらされてしまう。
被害者になってみてはじめて、中道は被害者の気持ちを思うことできるようになる。
・・・。




○感想○
先日見た、それでもボクはやってない のおかげか、
裁判の様子を短い文章ながらも、思い描くことが出来、
そのぶん、中道の心情を汲み取りやすかった。


中道は何度も
「俺だけが悪いのか?」と自問する。
その言葉に、共感したり、そうじゃないだろうと思ったりした。


中道の更生過程を見守る保護司がとてもよい。
これは作者の目線でもあるのかもしれない。


もし、私の周りにこうした 服役を終えた人 がいたら
私はどうするのだろうとも考えた。



中道が、困難に遭う中で、少しずつ、少しずつ、成長していく過程が丁寧に描かれている。
最後の病室でのシーンが私はとてもよいとおもった。