温室デイズ 瀬尾まいこ

温室デイズ

温室デイズ

○あらすじ○
荒れている中学校を舞台に
2人の中学3年生の少女が主人公。
正義感が強いことで苛められることになったみちる。
それを正視できずに、逃げ出す優子。

○感想○
作者が教師なだけあって、イジメの実態をよくつかんでいると思う。

田中のような教師(イジメを助長もせず、助けもしない)など、本当によくいるタイプの教師だろう。

そんな教師を責めたりしないのは
作者が教師だからなのか
みちるが、そんなものをせめても仕方のないことを
分かっているからだろうか?
(責難は成事に非ずという台詞を思い出してしまったが)

逃げてもいいよ。
という吉川に対し、
逃げるのが正しいことなのか?
と言うみちるの姿に心を打たれた。


こんな生活でも 学校を「温室」だというのは
この温室をでたら生きていけない子供たちを暗喩しているのだろうか?



「そういうの、すごく変だよ。学校に行かなくても大丈夫なようにするのが先生なの? つらいことがあったら、逃げ場を作ってあげるのが先生たちの仕事なの? そんなんじゃなくて、ちゃんとみんなが普通に教室で過ごせるようにしてよ。私は、先生に教室に行こうよって言ってほしい。ちゃんと学校に来いよって言ってほしい」