米原万里 オリガ・モリソヴナの反語法

 

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)

○内容○
ロシア語翻訳家である志摩は、20年以上ぶりに旧友を訪ねロシアに赴く。
旧友を訪ねる中で
プラハソビエト学校時代の教師であったオリガについてのなぞを一つ一つ解いていくことになる。
なぜ、オリガは、自称年齢より、老けて見えたのか、
なぜ、あんなにダンスが上手かったのか
なぜ、アルジェリアと言う言葉に反応したのか
なぜ、大佐はオリガを見てひっくりかえったのか
なぜ、オリガには東洋系の娘がいたのか

○感想○
言うまでもなく、志摩のモデルは著者本人である。
このはなしは 真っ赤な真実 を書いていく旅のなかで思いついたのかなあと思った。
彼女の小説はたぶんこれだけだと思うんだけれども
十分に読み応えはあった。
内容は面白いのに、やはりエッセイストなのか、イマイチ小説としての体裁が整ってなかったのが
残念だと思った。

しかし、内容は本当に文句泣く面白い。
そして、ソビエト系の名前はなじみがないせいか 非常に人名が覚えられなくて困った。