悪童日記

悪童日記 (ハヤカワepi文庫)

悪童日記 (ハヤカワepi文庫)


あらすじ
・舞台は何一つ説明は出てこないが(むしろこの話すべてに固有名詞は出てこない)
 WW2のハンガリーの国境近くの町。
 ドイツ軍に占領されている。

 主人公は双子の少年(10歳前後で美少年らしい)
 その少年の書く「作文」がこの小説である。

 少年は 母親に疎開先として 祖母の家に預けられる。
 そこで少年たちは、風呂も入れないような 清潔とは程遠く
 また、教育も愛情も受けられずに生活することになる。

 彼らの家には祖母(祖父を殺したロシア系のお婆さん)と
 ドイツ軍人が住む。

以下感想(ネタばれ)
 ちょっと読んで寝ようと思ったら、引き込まれるように一気に読破してしまった。
 はやく続きが読みたいものだ。

 母親も女中も殺し(女中は生きてたけど)、父親も殺す。
 あえて言うなら、祖母も隣のおばさんも殺した。

 女中は兎も角、
 なぜ 母親を殺したのかが、 理解ができなかった。
 疎開させておきながら、ほかの男の子供を産んだりしていたのが
 許せなかったのだろうか?

 淡々と進む分、彼らの悲惨さ、残酷さ、そして頭のよさも行間から
 伝わってくる。

 久しぶりに 良くも悪くも 考えさせてくれる本に出逢えた。